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ひとりごと・ブログの話

高専出身の親として、息子の進路と高専について思うこと。

今日は少しいつものブログと毛色が違うお話。はてなブックマークを見ていると

いい意味でも悪い意味でもこの記事のブックマークが伸びていました。

高専が変な感じで注目を浴びてますので、この人の人となりは置いておいて、

www.dailyshincho.jp

この記事を読んで高専卒業→大学3年時編入コースをたどった者として少し思うことを書いてみたいと思います。

これは親の立場での話。

なにか進路選択を考えられている親御さんの参考になるかと書いてみます。

記事を読むと、たしかにほんとに高専最高と思わせる要素がたくさんあります。

行きたい方向がバッチリ決まれば 国立大学に入ることはマリオカートのハイスピードレーンに乗るぐらい受験勉強に比べれば効率の良い感じになります。 高専でいい成績を取らねばなりませんがこれは国立合格基準の受験勉強よりかなり楽だと思います。

今はわからないのですが、私達の時代は編入で国立はいったら その大学でも成績がいい人が多かったです。これは確実に受験に疲れていないからといえるでしょう。

ただその前に最も難しいことがあります。

それは

「中学の時点で何をやりたいかわからない問題」

例えば高専の入学の時点で 機械工学や電子工学や都市工学など専攻を選ぶわけですが、そもそも本質的にどんなものかわからない時点でこれを選択することになります。一般教養を勉強しながら5年間にかけて徐々に専門性が増していくわけですが、興味を持てないとこれはかなり大変になってきます。もちろん大学へ編入へはその専門性を引きずるわけですから大学の編入先の進路までこの時点である程度決まってくるわけです。

つまりやりたいことが決まってる人にとってはものすごくパラダイスな環境になりえますが、はまらない人にとってはかなりの苦痛になります。

どういうことになるかというと建築家になりたいと途中から思うと建築系がない場合は進路変更するしかありません。大学受験なら偏差値の違う建築系をうければいいのですが、高専は地域性があり、その地域の受験できる高専の学科から興味あるものを選ぶ感じになります。 つまり行きたい科目があるというより高校入試の選択肢の一つとして高専という枠組みを選びがちです。ここが落とし穴になってきます。これが中にいるとみんなと別の方向にいく進路変更に勇気がいるんです。

私の行ってた高専は私服で自由な校風のため、途中から進路変更して音楽系に行く人ファッション系に行く人美術系に行く人色々出てきます。バイトもしやすいためそのバイトの方向に行く人もいます。3年から美大へ普通に受験した人もいました。私がファッションや音楽テクノロジーやデザインが好きなのは確実に多感な時期を高専で過ごしたからです。大学院卒業してから不動産業に行った友人もいますし、結局はみんなやりたいことやってるわけですが….. 不動産業行ったとしても高専からの工学部スキルはかなり役に立ってるみたいです。

どの学校でもあることなので本人次第ということなのですが….

ただし高専を悪く言ってるわけではなく、私自身は高専の制度は素晴らしいと思っています。

高専出身の友達をみてもみんな楽しくやってますし、とにかく受験勉強で疲れていないのと確かに優秀な人が多いとは思います。

じゃあ親として息子にどんな方向をアドバイスするのかという部分。

高専出身者の息子は高専目指すのか?という部分です。

これは環境によっても違うし、本人の適性もあり

結局は本人次第なのですが….

長男の学区の小学校は普通の公立なのですが7-8割中学受験するため、小4ぐらいから中学受験したいと言ってきました。中学受験するということが多数の環境にいるとそうなります。 これは東京独特なのかも知れませんが、関西出身の私からするととんでもない状況です。 自分の行ってた学校だと雰囲気的にはクラスに一人か二人でそもそも中学受験なんて何?という感じでした。

親の方向性関係なく川の流れが存在します。

長男はテクノロジー大好きなので、ひとまず中学受験をしてみて、失敗したら

高校受験の選択肢として高専っていうのもあるよ? と紹介しようかと

もちろん高専行くなら大学院までセットで考えたほうがいいです。

ただこの年になると見えてくるのが、学歴よりも好きなことを見つけて邁進している方の方が人生輝いている場合が多く、学歴関係なく自分の人生の操縦桿を自分で握る練習をしてほしいと思います。

受験というものは自分の適性を見つける大切な時間に蓋をして、合格というものに向かわせてしまうなーと。 ただ一定の課題をクリアできるかという基準にはなるため、良い部分悪い部分併せ持っているのですが、どうにかこの制度は変わらないものかと中学受験に向かう長男を見て思うのでした。

みんなが大学受験に向かう中、高専で自分はソーラーカー作ったりいろんな物を好き勝手に楽しんでました、それが大学編入したら受験勉強やってた人と技術的にはかなりの差になってきます。ハマった人にとっては遊んでたことが社会で使える状況に自然となってるのが高専。ロボコンなんかで得られる実践力は レゴマインドストームの比ではないです。

受験勉強の期間をやりたいことに没頭できるというのはかなりのアドバンテージです。大学編入は学校の成績が重要なので受験というより学校のテストをいい成績にしておくと自動的に道がひらけます。

高専も1-2年は一般教養や学内体験を通して自分と向き合い、それから自分の行きたい学科を選べるようになると、もっとおすすめしたい学校になるのになと…. 行きたい学科がないと思ったらそこからシフトできる道も学校側がアドバイスできる体制があると更にいいです。そこで自分の進路について考えるタイミングができると思うんです。

本当は工学系だけではなく工業デザインや、MITのメディアラボのようなアート系の領域まで入ったテクノロジー分野が選択できるとよいのですが….

だらだら書いてしまいましたが

高専出身者として思うこと書いてみました。

あくまで一意見として聞いてください。

ご参考になるとよいのですが….