talblo(タルブロ).comをフォローする

購読して頂けると記事を更新したときにプッシュ通知が届きます。

家具・住空間・キャンプ・アウトドア・旅

BROOKS サドル 沼 乗り比べてみました B17 STANDARD, FLYER, FLYER IMPERIAL おすすめのブルックスサドルはこれです。

今日はサドルの話です。

コロナの影響で一気にZOOMなどデジタル業界や、デジタルで付加価値が与えられるものが活性化していますがそんなデジタルとは真逆の世界があります。

これはどう考えてもデジタルで付加価値を与えれないものの一つ。

BROOKSのサドルです。

BROOKSとは?

1882年に革製自転車サドルの特許を出願したイギリスBROOKS。

特許出願から今年で138年

1882年といえばサクラダファミリアが建設開始した年で、上野動物園が開園、日本銀行が開業した年でもあります。

BROOKS開業まで遡ると1866年になります。

そんな時代に発明されたものに、時を越えておっさんの心が踊っています。

なんて素晴らしいんでしょうか?

1898年のカタログから何も変わっていません。右上のサドルがB17です。

https://www.brooksengland.com/en_row/b17-family

今まで使っていたBROOKSについて

ここに4年使った BROOKS B17 FLYERがあります。

f:id:talbotbuy:20200521121033j:plain

4年かけてサドルに座り、おっさんの重さで革繊維を少しずつ変化させながら作り上げていく座面。

こんな専用工具を使いながら

BROOKS 工具

こうやって閉めていきます。

BROOKS 工具

何をやっているかというと、おっさんの体重とこの皮1枚のハンモック構造は

ネジの長さでテンションをかけ、皮のたわみをコントロールします。

f:id:talbotbuy:20200523113541p:plain

ネジを伸ばすことによりサドルが少し前にのびハンモックのように座面の革を引っ張る原理。

brooks B17 flyer
この左の伸びたネジ7mmが4年間のあかしです。 まだ残っているネジの長さをみていただくとわかるように、BROOKSは4年なんて赤子なんです。

「革とネジとおっさん」

デジタルの入る余地はありません。

このトキメキは「部屋とワイシャツと私」に匹敵します。

100年以上前に発案されたものに、現代のおっさんが日々ときめくものなんて数少ないプロダクトのうちの一つ それが BROOKSです。

買ったときよりも日々成長し、4年間使った今が間違いなく最高の座り心地。

そんな日々に魔が差しました。

他のBROOKSシリーズはどんな乗り心地なんだろうかと?

おっさんがさっきからつぶやいている

BROOKSのB17シリーズというサドルなのですが、これはブルックスの革サドルラインナップの中でスタンダート中のスタンダートになります。

昔からほとんど変わりなく、BROOKSの歴史の定番中の定番です。リーバイスで言うところの501のような感じ。

このBROOKS にはSTANDARD、IMPERIAL、FLYER、AGED、SELECT、NARROWなど様々なモデルが存在するのですが、

おさえておきたいと思ったのが今回比較する

f:id:talbotbuy:20200521112537j:plain

左STANDARD中FLYER右IMPERIALです。

なぜこの2つを選んだのかという理由は後ほど説明します。

左のSTANDARDが基本中の基本なのですが、おっさんのゆるく乗りたいという気持ちから4年間真ん中のバネ付きのFLYERに乗っていました。 

今回の左の原点STANDAEDに行くのか? それとも右のIMPERIAL FLYERの世界に行くのか? 次のおっさんの何年かを決定する重要な検討会になります。

最終的に街乗りで乗り心地重視の私が、次の何年かで仕上げていくBROOKSを選ぶことになります。

それではまず最初に

おっさんが4年間で仕上げてきたBROOKS FLYERについて説明します。 

BROOKS  FLYER

brooks B17 flyer
このサドルは基本的なB17 STANDARDにスプリングが付いたコンフォート仕様のB17なのですが、

気に入って4年間使いました。 4年使い倒してもたまの手入れをするだけでこの美しさ。 保管時のサドルカバーをつけ忘れ 雨による水没も何度もさせています。

いつもは半分雨ざらしの外置きの環境で4年間サドルカバーだけをつけて、乗るときには外して使用していました。雨ざらしでもサドルだけはサドルカバーで濡れないようになっています。 クリームを塗るのも年3回ぐらいです。それでこの状態。 革サドルが難しいと思われる方は全く敷居が低いので是非こちらの世界に飛び込んできてください。

このB17 FLYER 最初スプリングが少し硬いと思ったのですが、革が馴染んできていい感じになりました。 スプリングはついていますが、ロードバイクに取り付けても

そんな違和感のない不思議なデザインが FLYERです。

なんでそんなに気に入っているのに買い替えようと思ったのか….

それはある勘違いがきっかけでした。

急に乗り心地が悪くなりました。

B17 STANDARD(バネなし)と B17 FLYER(バネあり)の構造の違い

BROOKS B17 flyer

B17のFLYERと呼ばれる後ろにスプリングがあるタイプは普通のB17 STANDARDに比べて丸印をつけたフレームが1本多いんですが、それがサドルに当たり始めました。 サドル裏にあとが付いているのがわかります。

B17 STANDARDはこの金具がなく、フレームとの距離がある完全なハンモック型 ならB17 STANDARDのほうがいいのでは?と思ったのです。

こちらがスプリングのないB17 STANDARDの裏です。

brooks B17

革がフレームに当たるなら、普通のB17 STANDARDを仕上げていったほうがなんだか良さそうに思ったのです。

新しいサドルをテストしだしてわかったのですが、これは単純に金具のズレでした。

BROOKS B17 金具ズレ

BROOKSにはフロントの金具にこのようにテンションがねじれないような機構が備わってます。

BROOKS B17 金具ズレ

4年乗っていると下の金属が開き、金具がずれてました。

これがサドルがフレームに接触し出した原因。

ネジを緩め、開いたフレームを治すだけで、以前のような快適な乗り心地になりました。

本来ならこれに気づいて改善すればまたFLYER快適に乗れるのですが、

もう一つ気になっていたことが…

ネジでテンションをかけていれば全く問題ないんですが、革が伸びてくるとシートが広がります。

B17 BROOKS

これはわずかですが、革が伸びてその状態で座ると左右に広がります。そしてまたネジでテンションを掛ける。

(4年の中でネジで軽くテンションをかけたのは4回なのでそれぐらい伸びないので安心してください。)

このブルーの矢印の位置を左右で紐で結んで開かないように固定したら乗り心地よくなるんじゃないかと思っていたわけです。

この2つの疑問点

ハンモック と 左右の開きを

試して見るには

B17 STANDARDの フレームの少なさ  ハンモックの距離が長い

B17 IMPERIAL FLYERの

brooks B17 IMPERIAL flyer

開かないように糸で加工がしてあります。 これです求めていたものは。

この2つを試さずにはいられませんでした。

それで次のBROOKSの候補に上がったのが STANDARDIMPERIAL FLYERなんです。

 これが理由です。

BROOKS B17 STANDARD

brooks B17 standard

これが候補の一つ目 B17シリーズのSTANDARD 

王道中の王道です。

スプリングがないため確かにかっこいい

BROOKS B17 STANDARD

デザイン的には一番美しいです。

後ろからもすっきりして素敵

B17 STANDARD

スプリング付きのFLYERと比べると裏もすっきりです

BROOKS B17 STANDARD

完全にハンモックになっているのが分かります。

一番の心配はいつもスプリング付きのFLYERに乗っていたため、このような王道スプリングなしハンモックが一体どんな感じなのかワクワクしながら乗って見ました。

これが….意外に良かった。

新品の皮の固さなのに、スプリングなしでもしっかりと皮が振動を吸収してくれます。

これが馴染んでくると、神サドルになっていくのはいうまでもありません。

おっさんの目標は街乗りで緩く乗るためのサドルなので、コンフォート重視なのですが、その分重たくなります。

しかしこれは軽いBROOKS B17 STANDARD

FLYER (スプリング付き)と比べても 300gも軽い

ちなみにこちらFLYER 833gです。 brooks B17 flyer

次の何年かでこのB17 STANDARDを仕上げていくのもいいなーと心が揺らぎました。

BROOKS FLYER IMPERIAL

brooks B17 flyer imperial

これがBROOKSシリーズの全部入りである FLYER(バネ付き)IMPERIALです。

最初横にあるドットが革靴でいうウィングチップ的な装飾なのだと思っていたのですが、これは確実に機能します。

先ほども紹介しましたが、この部分に糸を通して開かなくする為のものなんです。

brooks B17 flyer IMPERIAL

この部分が開かないと、座面の力が程よく分散します。 

取り付けてみても意外と気になりません。

BROOKS B17 FLYER IMPERIAL

あと真ん中のこの穴

brooks B17 flyer IMPERIAL

この穴は現代のサドルにもよく採用されているのですが、尿道など下腹部の圧迫を逃す為のものでBROOKSではすでに1890年には設計されていたそうです。

brooks B17 flyer IMPERIAL

スプリングのFLYERのコンフォート感

左右の開きを防ぐ紐

そして上の穴

この全部の要素を併せ持ったのが

BROOKS FLYER IMPERIALなのです。

乗ってみました…..

びっくりしました。

言葉で言うところの

パーフェクト。

これだ……

おっさんが探し求めていたサドルはこれだ……

FLYERに4年乗って 体が気づいていた改善点を

乗った瞬間クリアにしてくれました。

乗り心地でいうと

FLYER IMPERIAL >> FLYER > STANDARD

こんな感じです。突出してます。 新品の状態から….

革が馴染んでくると末恐ろしい….

この真中の穴、

f:id:talbotbuy:20200523123339j:plain

ライド中に左のおしりや、右のお尻だけに荷重をかけたときに

それぞれに対応してくれます。 つまり圧迫防止以上の効果があり、独立したサスペンションみたいな感じを生み出していました。

これは乗ってみるまでわからなかった。 ただの穴ではないです。

それを下の紐でバランスを取る感じ。

この感じなら スプリングなしの 普通のIMPERIALもいいはずです。

FLYERとFLYER IMPERIAL 後ろのスプリングの硬さは同じなのに、

IMPERIALのほうがより柔らかいスプリングがついているように感じます。

これも不思議な感覚でした。

4年乗った座面が仕上がっているFLYERより、まだ革が馴染んでいないFLYER IMPERIALのほうが乗り心地がいい…. これは少し衝撃です。

重さはFlyerと同等なのですが、

brooks B17  flyer imperial

もうこの乗り心地を体験してしまうと、あとに戻れません。

おっさんの次の何年かはこの FLYER IMPERIALとともに歩むことに決めました。

それ以外のBROOKSについて

実際BROOKSには他にも沼があり、もうハマると怖いのですが、

そんな革を伸ばしながら使うなんて馬鹿じゃないの?という方には

雨の日も全く大丈夫な天然ゴムのハンモックシリーズカンビウムがあります。

BROOKS CAMBIUM 

こちらはノーメンテでずっと乗り心地をキープできるみたいなので、革を十分味わったらまたこういう方向性に行くかもしれません。

革サドルかCAMBIUMかと迷われるのですが、この方のyoutubeがわかりやすく説明してあります。 是非 字幕+日本語翻訳で

手入れについて

サドルカバーとこのクリームはマストです。

あと黒のシュークリームもあればgood 

お手入れの方法は表からのみクリームを塗ったほうがいいかと思います。裏からも塗ると革が伸びすぎてしまう恐れがあります。

左がサドルカバー

真ん中がBROOKSの革オイル

右が黒のシュークリームです

100均でもいいのでとにかく防水のサドルカバーさえつけておけば、雨ざらしの保管でも問題ありません。

4年間サドルカバー+雨ざらし、たまに 黒の靴クリームとBROOKSのクリームで手入れするだけで毎日乗ってこの状態です。

f:id:talbotbuy:20200521121033j:plain

多少の雨なら吸い込まないので全く大丈夫で、土砂降りの中サドルむき出しで3時間ぐらい放置すると水没してしまうんですが、その場合はサドルのテンションを少し緩めて、乾燥+革の収縮をまちましょう。しっかりと乾燥したところでネジを締めてテンションをかければ大丈夫です。

購入方法について

是非まだ試されてなく、このブログで興味持たれたなら使ってみてください。

街乗りロードの方でゆるく乗りたい方には 特にこの

は最高でした。一番お安く買うならAMAZONの並行輸入品が12000円ぐらい。

楽天FLYER IMPERIALでは少しお高いですが、正規ルートだとこれぐらいです。

何年も使えるものが1万円少し+で購入できるので BROOKSは安いと。

またリセールバリューも高いです。

さて…..

永遠とサドル愛を語ってきましたがいかがでしたでしょうか? まさかここまで読んでいただいた方は1%にも満たないと思いますが、愛するBROOKSというメーカーについて少し詳しくなられたかと思います。

街でBROOKSのサドルをみかけたら、その乗る人とサドルの間にこんなドラマがあることを思い出していただければありがたいです。

日々の日常が少し楽しくなる

BROOKSのサドルでした。

最後にBROOKS FACTORYの貴重なドキュメンタリーです。これは皆さんにみてほしい。1945年製の工作機械が稼働中です。